2011年07月13日

突発性難聴体験記〜〜聞こえの不思議 2

さて、前回から続いて突発性難聴の話です。

治療をはじめて10日くらいは、回復の気配がなく同じ症状であったことは書きました。
難聴というのは読んで字のごとく、聞こえが悪くなる病気。ただし聞こえづらいことは不便ですが、片耳はふつうに聞こえて、悪い方の耳もまったく聞こえないわけではありません。わたしにとって不快な症状というのは、聞こえないことそれ自体より、耳の中で音がキンキン響いたり、耳鳴りがうるさかったりすることでした。

たとえば、人の声や音楽が、反響するように耳の中で響く。テレビがついているとキンキンするし、お店に入ってかかっている音楽の音が大きいと耳に響きます。左耳と右耳で聞こえ方が違うせいか、人の話し声、特に女性の声は二重に聞こえたりします。

それと、自分で物を噛む音がかなりキンキン響きます。外の世界の音は工夫しだいで遮断できても、自分の中から出る音はどうやっても遮断できません。生きるって難しいもんです(笑)。
お漬け物なんてまったくだめでした。お漬け物がだめなことは、おそらく想像の範囲内だと思いますが、繊維をかみ切る音というのがかなり響いて、ブロッコリーなど繊維のしっかりした温野菜などが意外にもやっかいでした。勢いをころして、ウニョンウニョンとゆっくり噛むことを心がけていました。

住んでいるマンションのエレベーターが、閉まるときにポーンと音を出すのですが、この音が、左耳では0.2秒くらい遅れてちょっと高めの音で響きます。右耳と左耳で不協和音のように音がぶつかって気持ちが悪いんですね。
で、ふと思いついて、キーボードで音を鳴らしてみたら、右と左で音の高さが違います。
たとえば「ラ」(チューニングで440ヘルツなどに合わせるヤツ)、左耳だけで聞くと「シ♭」に近く聞こえます。もう1オクターブ高い「ラ」だとより高く、ほとんど「シ♭」くらいに聞こえます。
ただし、キーボードの音は、両耳で聞いてもエレベーターのように別々の音に聞こえるということはありませんでした。

なぜそうなるのか、きっと理屈で説明できる人はできるのでしょうが、わたしは「高さが違う」という感覚しかわかりません。人間の耳・音の感知って微妙なバランスで成り立っているものですね。

前回、人の話の聞き方を「少し知ってる外国語」に例えましたが、そんな体験、いくつもしました。
たとえば、夫の話の主語がどうしても聞き取れず、「なに? ハミガキ?」と聞き返していましたが、自民党の谷垣さんの話でした。
なんの脈絡もなく出された単語は理解するのに時間がかかります。政治の話をしているなら、政治ジャンルの中から「ハミガキ」に似た音のものを探してきっとたどりつくのですが、いきなり出されると難しいのです。

固有名詞というのは聞き取りが難しくて、その場にいる人の名前なら半分くらい聞き取れれば把握できるけれど、その場にいない人の名前は、無数の選択肢があるから生半可な聞き取り方では聞き取れないでしょう。
人間っておそらく、聞いたままをしっかり聞き取るのではなくて、話の流れからある程度予想しながら、人の話を聞いて自分の頭で話を組み立てているということでしょう。一字一句聞き取るのは、健康な人でもしんどいことですものね。
自分の不安定な聞き取りから、そんなことを考えました。

続きは次回……「回復編」


<おことわり>
「突発性難聴」という病気は人によって症状がさまざまです。これはわたしが感じて体験したことなので、突発性難聴やその他の難聴を患う他の人にはまったくあてはまらない情報である可能性もあります。病気について調べている方は、その点に気をつけてください。



posted by chiyo at 16:11| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 難聴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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