2012年05月22日

久々の映画館『さあ帰ろう、ペダルをこいで』

去年、耳の病気をして以来、
大きな音が苦手で、映画館からはすっかり足が遠ざかっていた私。

「大きな音」といっても音源との距離とか、いろんな要素が加わるもので、
スピーカーを使う頻度が低い演劇は観られても、
音はすべてスピーカーで聞こえるところは不快に感じる、なんてことがあって、
映画館で映画を観るのはちょっと怖かったのだ。

もともと、DVDで観られる映画は家で観ればいいや、という出不精でもあり、
「映画館で映画鑑賞再開に挑戦」とは思えないでいた。

のだけれど。

日常生活で耳栓が手放せなかったのが、最近はどこに行くのもわりに平気になったので、
ふと時間ができたから思い立って、
公開がアナウンスされたときから興味を持っていた映画を観てきた。

「音」の方は、シーンによっては、耳をかばわないと辛いところはあったけれど、基本的には大丈夫。
約1年ぶりの映画館、楽しめましたよ。

観てきた作品は『さあ帰ろう、ペダルをこいで』

『アンダーグラウンド』『ウェディング・ベルを鳴らせ!』などエミール・クストリッツァ作品、『美しき運命の傷痕』『やわらかい手』等、ヨーロッパ各国の映画に出演するミキ・マイノロヴィッチが、今度はブルガリアの映画、というのに興味を持って、さらに、ドイツから自転車で故郷に向かう、というプロットが気に入って、観たいと思った。

ブルガリアからの移民アレックスは自動車事故で父母を亡くしてしまう。
一報を聞いてブルガリアから祖父が駆けつけるが、
アレックスは記憶をなくしてしまっていて祖父のこともわからない。
やがて記憶は取り戻さずとも信頼関係ができてくると、
祖父はアレックスにタンデム自転車(二人前後でこぐ自転車)でブルガリアに帰ろうと誘う。
ペダルをこぎこぎ行く道は、自分の来た道を思い出す道でもある。
アレックスが記憶を取り戻していくと、観客は、いっしょにこの家族に起こったドラマを知ることになる。

共産主義、タンデム、ロードムービー、バックギャモン、地続きのヨーロッパ……、
いろんなアイテムが散りばめられて、ちょっとずつ考えさせられるところもありながら、
すっきり娯楽として楽しめる作品。
いろいろ八方ふさがりでもなーんだか何とかなるかもしれないな、と心を軽くもしてくれる。
ネガティブ思考全開の私でさえそう思えるんだから、お墨付きだ。

豪快で常人ばなれして、強くて優しい、って祖父の役がミキ・マイノロヴィッチにぴったりだった。
バックギャモンのルールがわかんないのが、残念だな。知ってて観たらもっと面白いだろうに。


『さあ帰ろう、ペダルをこいで』
2008年 ブルガリア/ドイツ/ハンガリー/スロヴェニア/セルビア
監督・共同脚本:ステファン・コマンダレフ
出演:ミキ・マノイロヴィッチ、カルロ・リューベック

公式ホームページ:http://www.kaerou.net/
上映中:シネマート新宿、シネマート心斎橋
6月2日から:元町映画館(兵庫)

posted by chiyo at 22:53| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | その他映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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