欧 州 映 画 紀 行
No.266.16 16.12.25配信
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「ここじゃない何処か」に行ってしまいたい、あなたのための映画案内。
週末は、ビデオ鑑賞でヨーロッパに逃避旅行しませんか?
フランス映画を中心に、おすすめの欧州映画をご紹介いたします。
と、はじめてみたものの、今回はなかなか配信できないことの言い訳をぎっしりつめた言い訳号。
映画作品の紹介もなし。ごめんなさい。
前回の配信から半年経ってしまって、2016年も暮れようとしてる。
こんなに配信できないなら潔くやめてしまったらいいんじゃないかとも、よく思うのだけれど、映画を観てああでもないこうでもないと書きつけられる場所を持っておけることは自分でもうれしく、何もわざわざやめることもないんじゃないかね、と思う。しかし配信はなかなかできない。時は過ぎていく。
本日は、なんでそんなことになってしまっているのか、言い訳をさせていただく回である。
2012年の秋頃から、なーんだか長距離を歩けないという事態になった。ちょっと歩くとすぐに足が棒になる。
病院では、筋肉がすぐに疲れる自己免疫疾患の可能性が高いと言われるが、検査をしても「そうだ」と言い切れる結果が出ず、今に至るまで結局診断には至らず、治療法もない。
四肢の筋肉がすぐに疲れてしまい、階段をのぼったり長距離を歩いたり急いで歩いたりすると、足を前に運べないような疲労感に襲われる。腕の調子が悪い日には、じゃがいもの皮をむくだけで腕立て伏せをしたかのように腕が疲れる。
そして、全身がとにかく疲れる。午前中は比較的よいのだが、時間が遅くなればなるほど体がだるくなって、夜にはほとんど起きていられないから、夜型だったのが、今やすっかり朝型に。たいしたことをしなくても毎日ギリギリまで体力を使ってしまうから、最低9時間くらいは眠れなくとも寝転んでいないと体がもたない。
さっぱり配信ができないことの主な理由はこの体の状態なのだが、脚や腕の筋肉がすぐ疲れる病気だからといって、家でDVDで映画を観て座ってパソコンでメルマガを出すことが、なんでできなくなるの? と、読者諸氏は思うかもしれない。思うよね。
発症直後の頃に比べると今はだいぶ歩けるようになっているが、依然困っているのが、「活動できる量がとにかく少ない」ということだ。「時間がない」とも言い換えられる。
たとえれば、病気になる前の活動できる量を100とすると、今は40くらいしかない状態。(活動する量なので睡眠と休息はすでに抜いて考えている)
日々のやることというのは、食い扶持を稼ぐ仕事、やらなきゃ生活が滞るような家事など、必要度Aクラスのもの、友人とお茶を飲むとか、日常的な趣味とか、仕事用の勉強とか、必要度Bクラスのもの、時間があればやりたいような旅行や大型レジャーのCクラスのもの、とまあ、その人なりにいろんな優先順位があると思う。
活動量が元気なときの4割くらししかない今、その中に必要度Aのもの(ほとんどは仕事)を詰め込むと、もう活動の余地は残らない。
だから、仕事と睡眠と休息だけを繰り返すのに必死で、たまに仕事がひまになって、40の中に仕事以外のものを入れられるようになったら、必要度Aの中でずっと積み残しているもの(たとえばたまには自分で料理をしようとか、部屋が荒れているから掃除をしようとか)をやって、だいたい休日は終わる。
もうちょっと余裕が出たら、友人とお茶を飲む時間と体力ができるかも。映画も観られるかも。だが、メルマガを書くところまでたどり着くには、相当なヒマが必要で、2016年の後半は特に、仕事だけでほとんど毎日40をフル稼働していて、映画を観るというところにもまるで至らなかった。
病気で映画が観られないわけではない。しかし、日々の生活の中で映画を観るということを取り入れることが極めて困難な場合、結局それは「できない」と同義だよ、と私はよくいじけてみる。
そうして仕事ばかりの生活を4年も続けていると、自分の幅がどんどん狭くなる。自分でもいろんな場面でそれを自覚する。映画はしばらく観ていないと、なんていう映画が世の中にあるのかもわからないし、知らない俳優、監督も増える。「どうせ観られない」といじけている身には、情報だけには触れておこう、なんていうのもわりと辛くて、映画にどんどん疎くなる。
読書も、サッカー観戦も(テレビ観戦含め)、芝居を観ることも「毎日の40」の中に入れられないものは、私からどんどん縁遠いものになる。
そんなこんなで、仕事しかしていなくて、好きな映画を語ることも、面白かった本を人に教えることもできなくなっていることは、自分でもさみしいし、ちょっとした劣等感にもつながっている。
病気を治す手立てがない以上、この状態はあと何年も何十年も続くだろう。つまらんことだなあ、と思う。つまらん人間のまま、ただ40の中に仕事を詰め込んでただただ暮らすんだろうと思う。
そんな中で、すっぱりメルマガをやめてしまうのもひとつの手だけれど、でもいつか、また、映画を観て、あることないこと、じゃない、あれやこれやと思うことを書いて配信することがたまーにでもできたら、いいよね、と思う。この場所を残しておくことは、私の小さな希望なのだ。
というわけで、長々書いたが、これでもだいぶん手短に説明した、私がさっぱりメルマガを書けないことと、そのくせしつこく廃刊や休刊にはしないことの、言い訳である。
読者の皆さま。もしも気が向いたら、映画を観てメルマガを書くということを、もーうちょっと定期的にやれるのを、待っていてくださればとてもうれしい、です。
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こんにちは。お久しぶりです。
以前いつだったか、(もう何年も前です)夜中にテレビで観た映画のタイトルが思い出せず、コメント欄でchiyoさんに相談したことがあるsachikoです。
あの映画、わたしにとっては強烈な印象で。
いまでもタイトル思いだせずにいます。^^
いつも、chiyoさんの文章楽しみにしています。
この場所(chiyoさんの欧州映画紀行blog)好きてす。
ふと観にきたくなる場所です。
sachikoさん
お久しぶりです。コメントありがとうございました。
あのときは思い当たる映画タイトルがなくて、すみませんでした。私も今でも、なんていう映画だろうなあと思うことがあります。いつか、ピンとくるかもしれませんね!
楽しみにしてくださってありがとうございます。今年の後半には、もう少し映画を観て、書いて、ということを増やせたら、と思っています。またぜひのぞきにいらしてくださいね。