欲しい本が出てきたり、SNSやWeb上で面白い本の話題を見つけると、とりあえずAmazonで検索してカートに入れて、「欲しい本メモ」がわりにしているのだけれど(その後、リアル書店で買う場合もある、他のネット書店で買うこともある、図書館で借りることもある、図書館の予約を入れてカートにも残しておいて、なかなか回ってこないなあ、買うかなあ、なんてのもやる……もういいって?)、Kindleは、カートがなくて1Clickですぐに買うという買い方しかない。
しかたがないので、Kindle本は「ほしい物リスト」に登録してメモしているけれど(正しい使い方はこっちなのかもしれないね)、どうもしっくりこない。なんでこの「カートがないこと」にこんなに戸惑うんだろうと考えていたら、「本を買う」ということと「本を読む」ということが別の「楽しみ」として私の中に成立しているからじゃないかと思い当たった。
もちろん本は読むために買う訳なんだけども、買ってきて(配送されてきて)、積んで「おー、読むのが楽しみだー」と楽しむときってのがあって、その前の段階として、「購入候補」の本の中から、「どれにしようかなあ、やっぱりこれはいち早く読みたいよねえ、季節的にはこれとこれかなー」と、選ぶ楽しみがある。
欲しい本を表示させて、即Kindleに送って読むってのは、その楽しみの分が減っちゃうような気がするわけで。
Amazonでは「1分以内にKindleで ○○○ をお読みいただけます。」なんて宣伝文句も出てくるわけだけど、ちょっと時間をかけて買うのを楽しんで、読書タイムになったら本を読んで楽しむ、なんてペースがまだまだ私の習慣らしい。
「新幹線に乗る前に駅の本屋さんで今から読む本を選ぶ」ようなシチュエーションでしか、私には「買う→即読む」てことがなかったのだろう。
そういえば、これはまだKindleを買う前に、移動中に持ってた本を読み切ってしまって、退屈して、iPhoneで200円くらいで短編を落として便利だったことがある。そういうある種の慌ただしさを連想させてしまうのかもしれない。とはいえ、まあ、「買う→即読む」のペースの「本の買い物」にもすぐに慣れるのだろうと思う。
そんなこんなで、「今読む本を今ダウンロード」というスタイルは、私がしょっちゅうやってる「積ん読」を避けるスタイルでもある。しかし本屋さんとしては「積ん読」してもらわないと困るところもあるんだろう。
Kindle本は期間限定の値下げなんてのもやってて、「今は読む時間ないけど、安くなってるし、今のうちに買っとこう」という罠(?)をしかけはじめた。買ったけどまだ読み切っていない本がセールで大幅に値下がりしていると、妙に損した気分になって、「いつ買ったら得か」ていうジリジリした焦燥感が本の買い物に持ち込まれるのも、なんだか落ち着かないと思う。これもそのうちに慣れるだろうか。
そういう周辺のあれやこれやじゃなくて、購入を考えている人にとって大事な話題といえば、Kindleの読み心地。
それについては、1冊の本をはじめから終わりまで読み切るのには、紙の本の感覚と全然変わらないと思う。ただ、途中でちょっと前の方の内容を確認したくなったようなとき、数ページをペラペラめくって戻って読む、というようなことがしづらい。このあたりがもうちょっと使い易くなってくれると、持ち運びが重くなくて暗いところでも読めて、紙の本の便利さを超えるんじゃないかなあ。